擁壁解体が必要なサインを見逃さない!危険な兆候と解体方法を解説!
擁壁(ようへき)は、斜面の土を支えるための壁状の構造物です。
高低差のある土地に建物を建てる際、斜面の崩壊を防ぐために設置される重要な要素です。
しかし、時が経つとともに劣化が進み、解体が必要となることがあります。
この記事では、擁壁解体の概要、解体が必要な状況、そしてその際の注意点について詳しく解説します。
□擁壁とは何か?その種類について
擁壁とは、斜面の土砂が崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物です。
特に高低差のある土地においては、建物の安全を確保するために欠かせないものです。
擁壁には、主に以下のような種類があります。
1:鉄筋コンクリート造の擁壁
鉄筋コンクリート造の擁壁は、最も多く使用されるタイプで、強度が高く、安全性に優れています。
鉄筋で組んだ基礎部分にコンクリートを流し込み、頑丈な壁を形成します。
強度が高い分、解体には手間と時間がかかり、騒音や振動も発生しやすいという特徴があります。
2:コンクリート造の擁壁
無筋コンクリート造とも呼ばれるこのタイプの擁壁は、鉄筋を使用せず、コンクリートのみで構築されます。
鉄筋コンクリート造よりも強度は劣りますが、重い材料で造られているため、斜面をしっかりと支えることが可能です。
3:石造りの擁壁
石造りの擁壁は、石を積み上げることで作られるもので、練積み式と空積み式の2種類があります。
練積み式は、石と石の間にセメントやモルタルを流し込み、堅固に連結する方式です。
一方、空積み式はセメントを使用せず、単に石を積み重ねるだけの構造で、最も簡単な擁壁とされています。
□擁壁解体が必要となるタイミングとは?
擁壁の解体が必要となる理由はいくつかありますが、主に耐用年数の経過や安全性の問題が大きな要因となります。
擁壁の解体を適切なタイミングで行うことは、周囲の環境や建物の安全性を保つために重要です。
1:擁壁の劣化と耐用年数
一般的に、コンクリート造や鉄筋コンクリート造の擁壁は、耐用年数が30〜50年程度とされています。
しかし、20年を過ぎた頃から劣化が進行しやすくなり、ひび割れや傾斜が見られることがあります。
劣化が進むと、擁壁の強度が低下し、崩壊の危険性が高まります。
そのため、劣化の兆候が現れたら、解体や改修を検討する必要があります。
2:擁壁が崩れる危険性がある場合
擁壁が崩れる前には、いくつかの兆候が現れます。
例えば、擁壁にひび割れが発生したり、つなぎ目がずれて隙間ができたり、擁壁自体が傾いてきたりすることがあります。
また、水抜き穴からの排水がうまく行われていない場合も、擁壁の機能が低下している可能性があります。
これらの兆候が見られた場合、早急に解体や修繕を行うことが求められます。
3:家屋のスペースを広げるための解体
擁壁の解体は、安全性だけでなく、土地利用の効率を高めるために行われることもあります。
例えば、家屋のスペースを広げるために擁壁を解体し、平坦な土地にすることで、より広い建築スペースを確保することが可能です。
ただし、擁壁の解体を行う際には、その擁壁が果たしていた役割や周囲の安全性を十分に考慮することが重要です。
□擁壁の解体方法と注意点
擁壁の解体方法は、擁壁の種類や構造によって異なります。
適切な方法を選ぶことで、作業の効率を高め、周囲への影響を最小限に抑えることができます。
1:鉄筋コンクリート造の擁壁の解体
鉄筋コンクリート造の擁壁は、その強度ゆえに解体が難しく、手間と時間がかかります。
一般的には、以下のような方法が用いられます。
・バースター工法
バースター工法は、騒音や振動を抑えつつ擁壁を解体する方法です。
コンクリートに穴を開け、そこに圧力をかける器具を挿入してひびを入れ、静かに崩していきます。
この方法は、周囲に住宅がある場合や騒音を抑えたい場合に適しています。
・ワイヤーソーイング工法
ワイヤーソーイング工法は、擁壁にワイヤーを巻きつけて切断していく方法です。
切断面がきれいに仕上がるため、解体後の処理が容易になります。
ただし、鉄筋が多く含まれている場合は作業が複雑になることがあります。
2:コンクリート造の擁壁の解体
コンクリート造の擁壁の場合、鉄筋が含まれていないため、比較的解体が容易です。
バースター工法やワイヤーソーイング工法の他、ショベルカーを使用して掘削する方法も一般的です。
掘削作業は、上部から進めることで安全性を確保します。
3:石造りの擁壁の解体
石造りの擁壁は、構造が比較的単純なため、解体作業も簡単です。
擁壁の上部にショベルカーを配置し、上から順に石を取り除いていきます。
この方法により、石やブロックの崩落を防ぎ、作業員や重機の安全を確保します。
4:廃棄物の処分について
擁壁の解体に伴い、コンクリートや石材などの廃棄物が発生します。
これらの廃棄物は適切に処分する必要があり、通常は解体会社が処分を担当します。
施主としても、処分方法について会社と確認し、適切な処理が行われているかどうかを把握することが重要です。
□まとめ
この記事では、擁壁の種類と解体方法、注意点について解説しました。
擁壁は、土地の安全を守る重要な構造物ですが、経年劣化により解体が必要となることがあります。
解体方法は擁壁の種類に応じて異なり、安全面を考慮した適切な手法が求められます。
解体時には廃棄物の処分や周囲への影響も考慮が必要で、専門会社との連携が重要です。
弊社では、名古屋市周辺で経験豊富なスタッフによる確実な解体作業を行っております。
もし、信頼できる解体会社をお探しの方は、ぜひ弊社までご連絡くださいね。