家の解体工事を行うために必要な許可や届け出について解説!
家の解体工事を依頼する際、安全かつスムーズな工事を行うためには、適切な許可と届け出が欠かせません。
加えて、解体会社には「建設業許可」や「解体工事業登録」が求められますが、これらがきちんと整っているかを確認することも重要なポイントです。
本記事では、家の解体工事に必要な許可と届け出について詳しく解説します。
また、「どのように会社の資格を確認すれば良いのか」「法律を遵守して信頼性のある会社を選ぶためにはどうしたら良いのか」、そのためのポイントについてもご紹介します。
安心して解体工事を依頼するために、必要な情報を把握しておきましょう。
目次
□解体業を行うための許可・登録について
解体業には、建設業許可と解体工事業登録の2つの重要な許可・登録が必要です。
これらの手続きを完了することで、合法的に解体業を営むことが可能となります。
*建設業許可
建設業許可は、建設工事を請け負って営業するための許可です。
つまり、建築物や工作物の建設や解体工事を請け負うためには、この許可が不可欠なのです。
建設業許可を取得するためには、2つ以上の都道府県に営業所を設置する場合、国土交通大臣の許可を得る必要があります。
一方で、1つの都道府県内だけで営業する場合は、該当する都道府県知事の許可で取得できます。
また、建設業許可には有効期限があるので、5年ごとに更新しなければいけません。
*解体工事業登録
解体工事業登録は、建設業許可を保有していない場合でも、解体工事を実施できる登録制度です。
もし、この解体工事業登録を済ましていれば、建設業許可がなくても小規模な解体工事を実施できます。
ただし、請け負える工事の金額には制限があり、500万円(税込)未満の工事に限定されます。
解体工事業登録は、建設リサイクル法に基づく規定であり、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律が適用されます。
また、解体工事業登録を持つ場合には、営業所や施工する工事現場ごとに、必要な標識や帳簿の記載・保存が定められているのです。
□解体工事に必要な届け出について
*施主が提出する届け出
1.アスベスト除去の届け出
解体作業を行うに当たっては、建物の大きさやアスベストの有無に関わらず、法律によってアスベストの有無に関する事前調査が必要です。
この事前調査の結果、建材にアスベストが含まれていた場合には、関連する各種手続きを行政に提出しなければなりません。
2.ライフラインの停止
施主が担う届出の1つに、「ライフラインの停止」があります。
解体作業に入る前に、電気やガスを停止していないと、大きな事故につながってしまうかもしれません。
そのため、解体開始の1カ月から3日前までに、なるべく早くライフラインを止めておきましょう。
3.建築リサイクル法に関する届け出
延床面積の合計が80㎡以上で、木材をはじめとする特定建材を用いた家を解体した後には、建設資材を分別・リサイクルすることが義務づけられています。
そのため、廃材の種類や予想量を事前に報告するために、「建築リサイクル法に関する届け出」を行政に提出しなければいけません。
こちらについては、解体の7日前までに自治体に提出しないと、罰金が発生する可能性もあるので、十分注意してください。
*解体会社が提出する届け出
1.建築物除却届
建築基準法によって、解体会社には「建築物除却届」の提出が義務付けられています。
この届け出を提出しないままに、解体工事を実施することは認められていません。
届け出をせずに解体工事を行った場合、もしくは虚偽の報告をした場合には、50万円以下の罰金が科せられることになっています。
2.道路の使用許可申請
解体作業を行う現場によっては、トラックや重機を駐車できるスペースが限られていることもあります。
こうした場合には、道路の使用許可申請が必要です。
こちらについても同様に、申請をせずに解体に取り掛かってしまった場合、3か月以下の懲役、または5万円以下の罰金が科されます。
申請をしなかった場合だけでなく、申請した場所以外を使った場合にも、同様に罰せられるので注意が必要です。
□解体作業後の手続きについて
1.建物滅失登記申請
家の解体工事後には、「建物滅失登記申請」が必要です。
この手続きは、土地から建物がなくなったことを登記するもので、工事終了後1カ月以内に行わなければなりません。
この手続きには、以下の書類を用意する必要があります。
・建物滅失登記申請書
・登記簿謄本
・案内図
・取り壊し証明書(会社から受け取る)
・依頼した会社の登記事項証明書、印鑑証明書(会社から受け取る)
・実印、印鑑証明書(自治体により必要なところもあり)
・委任状(土地家屋調査士に依頼する場合)
手続きについては、管轄の法務局で行わなければいけません。
また、申請を怠ると、最大で10万円以下の罰金が科されることもあるため、注意してください。
2.工事中使用した水道の停止
解体工事中は土埃が舞い上がりやすいので、散水しながら工事を行います。
この散水のために水道を使うため、解体工事終了後に停止手続きを行いましょう。
水道もライフラインの1つですが、電気やガスのように解体前に停止手続きを行うわけではないので、停止時期が異なることを覚えておいてください。
□まとめ
安心して解体作業を任せられる、信用のおける解体会社を選ぶためには、「建設業許可」と「解体工事業登録」の2つの資格が見極める基準となります。
また、解体工事を行うに当たっては、皆様の方でも必要な手続きがありますので、余計なトラブルに巻き込まれないためにも、忘れずに必要な届け出を提出しておきましょう。